2022年 動物たちとの約束

2022年も終わりになりました。本日31日の午前で、本年の診察も終わりになりました。ありがとうございました。

この一年間も昨年に引き続き、新型コロナウィルスの流行に右往左往する一年間でした。今年は1月より変異型のオミクロン株が感染力が強く、あっという間に感染者が増えてきました。重症化は当初に比べるとかなり減ったようですが、まだまだ注意は必要のようです。何とか来年は、皆がもう少し自由な生活が出来る一年になればと期待しております。

今年は、動物のマイクロチップが義務化されました。ペットショップ等で飼った動物には、基本的にはマイクロチップが装着されています。迷子の動物の把握がしやすくなることはもちろんですが。飼い主としての責任感もより増すのではないかと期待されています。

全国の動物愛護センターや保健所で、7万匹の持ち込みがあったそうです。昔と比べると随分と減りました。また、殺処分は10年前に比べると10分の1となっています。今は持ち込まれ動物の約7割が、譲渡会等で新たな貰い手がみつかっているようです。また、行政だけではなく、多くの個人やグループの方のご尽力でも様々な動物愛護の活動がされています。行政にしても、個人にしても、結果的に不幸になってしまった動物の命をたくさん救ってもらっています。もちろんまだまだ問題や課題はあるでしょうが、動物愛護に関しての取り組みもだんだんとすすんでいます。

多くの方の様々な活動が、いつか不幸な動物がいなくなる日に繋がっていくのではないかと思います。当院にも保護猫、保護犬もたくさん連れてこられます。多くの動物が保護された当初と比べると、顔つきや性格も大きく変わり、良い人生を送れる場所に巡りあえたのだなと思います。

さて、年末年始のお知らせです。1月1~3日まではお正月休みを頂きます。また、1月4日(水)から、通常通りの診察となります。

さて、今年最後のブログも、「犬の十戒」をご紹介いたします。英語の詩で、日本でも訳されて広がっています。ペットとして犬が家族である飼い主に守ってもらいたい、10の事を語りかけています。非常に多くのことを考えさせられれる文章です。

1.My life is likely to last ten to fifteen years. Any separation from you will be painful for me. Remember that before you get along with me.

私の命は10年や15年ぐらいです。どんな時でも、あなたと離れるのは辛いです。
私と一緒になる前に、ずっとそれが出来るか考えてください。

 

2.Give me time to understand what you want of me.

あなたがしてほしいことを理解するには、私は時間がかかります。
どうか根気強く待ってて下さい。

 

3.Place your trust in me- it’s crucial to my Well-being.

どうか私のことを心から信頼してください。
そんなあなたの心が、私の幸せのすべてなんです。

 

4.Don’t be angry at me for long and don’t lock me up as punishment. You have your work, your entertainment and your friends. I have only you.

あまり長い時間叱ったり、どこかに閉じ込めてしまう罰を与えないでください。あなたには、仕事もあります。楽しいこともあります。友達だっています。
でも、私にはあなたしかいないのです。

 

5.Talk to me. Even if I don’t understand your words, I understand your voice when it’s speaking to me.

たくさん、私に話かけてください。
言葉はわからなくても、あなたのその声をちゃんと私は理解していますから。

 

6.Be aware that however you treat me, I’ll never forget it.

いつでも、私の世話をどのようにするか気にかけてください。
私はそれを決して忘れません。

 

7.Remember before you hit me that l have teeth that could easily crush the bones of your hand but that I choose not to bite you.

私を叩いて叱る前に、思い出して下さい。
私が本気になれば、あなたの腕にかみつける牙があることを。
でも、私は決してあなたを傷付けないと決めてることを。

 

8.Before you scold me for being uncooperative, obstinate, or lazy, ask yourself if something might be bothering me. Perhaps I’m not getting the right food or I’ve been out in the sun too long or my heart is getting old and weak.

私のことを、言うことを聞かない、頑固だ、怠け者などと叱る前に、
私がそうなってる原因がないか、どうか自分に問いかけてみて下さい。

ちゃんと私にご飯をくれてはいますか?
暑い日に外に長い間ほってないですか?
もしかして、私の心臓が年老いて弱ってないでしょうか?

 

9.Take care of me when I get old ; you, too, will grow old.

私もあなたも年をとります。
いつか私が年老いても、どうか私を見続けてください。

 

10.Go with me on difficult journeys. Never say, “I can’t bear to watch it .” or ” Let it happen in my absence.” Everything is easier for me if you are there. Remember I love you.

 最期のときがきたら、どうかその時は私のそばにいて下さい。
「見てられない」とか、「私のいないこところで」なんて、言わないで下さい。あなたがそばにいてくれれば、私はどんなことだって、受け入れれるんです。

そして、どうか覚えいてください。私があなたを愛していることを。

 

今年も多くの動物との出会いと別れがありました。

当院を開院するずっと前の昔の話ですが、たまたま仕事が休みの日に、県内の山に登山にいきました。すると、一匹の若い犬を連れられた方と、たまたま同じタイミングで頂上で、お出会いしました。その時に、たまたま仕事場から電話があった事もあり、動物病院で働いている獣医師である事を話しつつ、いろんなお話を聞かせてもらいました。

その数年後、当院を開院した際に、そのご家族と再会する事となりました。奇跡的な出会いに、非常に驚きと嬉しさを感じたことを覚えています。フィラリアやワクチンなど、病気はなくても毎年に会うのが楽しみでした。

初めて会ってから10年以上、いよいよシニア犬になり、今年の春に体調不良が出てきました。それなりの病気の気配があったため、検査をおすすめしました。すぐに専門施設でしっかりと検査をしてもらいました。結果的には、治らない病気で、また先が短い可能性のある病気であることがわかりました。

どうなるかと思ったのですが。ただ、そこからは薬等がよく効き、まるで病気が全くないような期間が、半年以上続きました。あちこちにお出かけも出来たぐらいのとても良い体調でした。ただそれでも、病気はなくなる事はないので、年末にかけて症状が出て、ついにお迎えがきました。それでも食べない期間は約1日ぐらい。よく頑張ってくれました。

私にとっても、すごく印象に残る子だったので、飼い主さん同様に落ち込みました。すると、飼い主さんから、「私はきっちり検査もして、きっちり治療もして、元気になって、この子の為に出来ることは、全部した。後悔は一切ない」と、おっしゃっていました。

病気になって治る病気もたくさんあります。ただ歳をとると、治らない病気の方が増えてきます。治らないからこそ、お迎えが来た時に、後悔がないと言ってもらえる治療が、やはり私たちが目指すべき目標であると、改めて思いました。

どの動物も多くの事を私たちに教えてくれました。どの子たちも印象深い子たちばかりです。いろんな病気に対し、病気の治療だけではなく、ご家族とその動物にあった様々な過ごし方をご提示し、きっちりと相談し、しっかりとご家族に寄り添いながら治療をすすめていくことが、私たちが出会った多くの動物たちとの約束です。

今年も今まで出来ていた普通の事が出来ない事も多く、人との出会いも制限されていた一年であったと思います。改めて普通の生活を送る大事さを感じた一年となりました。また、こんな時だからこそ、動物に癒された方も多いのではないかと思います。

動物の健康を通して、動物を飼われている皆様に不安のない普通を届ける事が、大事なことなのではないかと思いました。その為には、病気の治療だけではなく、予防や日頃の細かな生活の仕方など、健康なうちにそれを維持するための提案にもより一層力をいれていかないといけないと思いました。来年も少しでも動物を通して、皆様の生活が明るく楽しく過ごせるお手伝いが出来ればと思います。来年も皆様と動物たちにとって良い年となりますよう願いまして、今年最後のブログとさせていただきます。ありがとうございました☆

 みかみ動物病院 院長 三上直樹

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