どんよりとした蒸した、梅雨らしい日になりました。今週は台風にも注意が必要のようです。
さて、夏になると犬猫ともに増える病気が皮膚病です。この時期は、暑さや湿気のせいで、全身を毛で覆われた動物の皮膚には、ばい菌やカビなどが増えやすい環境なり皮膚病を起こしてしまいます。そんな皮膚病の治療や予防が出来るようにと、スタッフ向けのシャンプーの勉強会をシャンプーメーカーさんに開いてもらい、シャンプーの選び方や、効果的なシャンプーの仕方を教えてもらいました。
まず、動物にも人のシャンプーが使えるかと言えば、ダメなんです。人のシャンプーは動物からすると、非常に強くできています。肌のpHも違い、カサカサの元となるので、動物用のシャンプーが必要になります。さらに、美容向けのシャンプーと、皮膚病が多い動物向けの薬用シャンプーがあります。
また、一言で薬用のシャンプーと言っても、実は様々な皮膚に合わしたものがあります。中には、間違ったシャンプーを使ったりすると、薬用成分の効果が乏しく皮膚の改善が見られなかったり、逆に悪くなることもあります。
意外なことに、犬や猫の皮膚は人よりも繊細にできています。犬や猫の皮膚のバリアになる角質層が非常に弱く、ばい菌やアレルギーの元となるものが侵入してきやすいのです。さらに、皮膚病を起こしやすい子は、カサつきやベタつきがひどい子、ばい菌にやられやすい子、アレルギー体質の子、それぞれの皮膚が抱えている問題も違います。そのため、その皮膚の病状に合ったシャンプーにしなければなりません。
いわゆる薬用のシャンプーと言われるものは、洗浄の効果だけではなく、さらに皮膚それぞれの問題を少しでも抑えるように作られています。もちろん皮膚病には薬も大事になりますが、長期的に続けられる負担の少ない治療としては、シャンプー療法は非常に良い武器となります。
今回はスタッフみんなが、改めてシャンプーの重要性を学べ、非常に為になった勉強会でした。もし、皮膚に心配事があったり、シャンプーのやり方などでご質問などあれば、ぜひ相談してください。
さて、10日余り実習に来ていた、谷川さん、三上さんが実習終了となりました。多くのことを経験してもらい、また飼い主さんとお話をさせてもらい、直に動物たちと接することで、たくさん思うことがあったようです。良い看護師さんと、良いトリマーさんになれること間違いなしの、勉強熱心なお二人でした。ご苦労様でした。
そんな二人が実習最終日に、今回の勉強会で習ったシャンプーの仕方を、非常に分かり易くしたイラスト付きのパンフレットを作ってくれました。
効果的な薬用シャンプーのポイントを少しご紹介すると
1.シャンプー前のクシがけを行う(抜け毛を事前にとっておく)
2.30℃以下ののぬるま湯で洗う(暖かすぎるとかゆみの原因に)
3.泡の状態で10分間(薬用の成分が浸透する)
4.しっかり乾かす(なるべく冷風)
その他にも、歯磨きの仕方や、爪きりの仕方のパンフレットを作成してもらいました。いずれも素晴らしい出来で、近いうち飼い主さんにもお渡しできるようにと思っています。ひとまず、また病院内の壁に掲示しますので、ぜひご覧ください☆