寒い季節の膀胱炎

10月も終わりに近づいてきました。10月の前半は半袖で過ごせていましたが、後半の2週間ほどで一気に寒さがましてきました。この時期は、膀胱炎の症状で診察に来られる方が増えてきます。

膀胱炎は、尿を貯める袋状の臓器である膀胱に炎症が起こる事で、尿に関わる症状が出てきます。一般に血尿と、頻尿が典型的な症状です。

血尿は、ペットシーツや猫砂の場合は、赤色の尿で気づきやすいですが、散歩中の排尿では分かりにくい場合があります。また頻尿とはトイレの回数が増える事ですが、ずっと見ている訳には行かないので分かりにくいかもしれません。どちらかと言えば尿回数が増える事により、一回の排尿の量が減るので、まるで尿が出てないように見えることで気づく事の方が多いかもしれません。

さて、特にこの寒い時期に膀胱炎が増えてくる要因としては、暑い時期に比べると水をあまりのまないことによります。あまり水を飲まないと、排尿回数も減り、膀胱の中が空っぽになる回数が減ります。排尿回数が減ると、膀胱炎の原因になる細菌や、膀胱結石の元が増えやすい環境になります。このため、寒い時期は膀胱炎になりやすいくなります。

そんな寒い時期の膀胱炎の予防としては、お水をしっかりと飲ませることです。例えば、水替えの頻度を増やし、なるべく新鮮なお水を置いてもらったり、水飲みの場所を増やす事も対策になります。

特に今までも膀胱炎に何回かなったことのある動物は、特に冬場は予防ができると理想です。それでもなかなか飲水量が増えない場合は、ドライフードの食事から缶詰やパウチに変更することもありです。缶詰やパウチは半分以上が水分ですので、自然と尿が増えます。また、ドライフード自体を、水で少しふやかすのも一つです。

基本的には膀胱炎症状だけであれば、命に関わる病気ではありませんが、生活の質を落とす非常に不快な症状です。治療も長期になる可能性もあり、場合によれば食事の変更等も必要になります。特にトイレに行く回数や、少量の尿の跡、長い時間トイレの格好をしている場合は、膀胱炎の可能性があります。寒い時期にこれから本格的になりますが、膀胱炎にならないようにお気をつけください☆

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