ゴールデンウィークも終わりに近づいてきました。近江八幡は田んぼもいっぱいあり、連休よりも田んぼが忙しいお家もあるでしょうか。私の実家も田んぼがあるため、ゴールデンウィークは休みというよりかは、田植えの時期という感じです。だんだんと田んぼに水がはられて、綺麗に苗が植えられる様子は、季節を感じます。
さて、前回に続き新型コロナウィルスの話です。前回は犬の話でしたが、もちろん猫の飼い主さんからも新型コロナウィルスは猫にかかるのかとの質問を最近は多数受けます。
ペットの猫には新型コロナウィルスがかかるかどうか、実は猫もまだまだどうかは分かりません。一般的には人のコロナウィルスは、動物を越すことはありません。ただ、猫に関しても、数例ですが感染が確認されたとの報告があります。また、アメリカの動物園でネコ科の動物であるトラに感染があったとの話がありました。飼育員の方が新型コロナウィルスに感染していたそうです。やや犬と比べると、感染の報告も多い気がします。
それでも新型コロナウィルスにかかった人の数と比べると、まれな報告ですので、猫への感染はほぼないと言っていいと思います。ペットへの感染経路は、新型コロナウィルスにかかった人からですので、飼い主がかからないようにする事が、犬猫にとっては一番良い対策だと思います。今後もくれぐれもお気を付けください。
さて、実は猫ももともとに犬と同様に、猫に特有のコロナウィルスは以前より病気としてはあります。猫のコロナウィルスは感染率は非常に高く、複数猫を飼われているお家の猫はほぼ100%と言われています。ただし、無症状や非常に症状の軽い下痢を起こすぐらいで、問題になる事はほとんどありません。犬と違いワクチンもありませんが、問題となる事はほとんどありません。
すごく弱い症状の感染症のため、猫のコロナウィルス感染症は、猫を飼われている方もほとんど知られていないと思います。しかし、『猫伝染性腹膜炎(FIP)』という病気は、猫を飼われている方は一度は聞いたことがあるかもしれません。猫伝染性腹膜炎は、非常に致死性の高い病気で、様々な症状を起こす怖い病気です。有効な治療薬もなく、ほぼ100%で亡くなります。
実はこの原因がコロナウィルスです。仕組みは、非常に複雑ですが、通常に猫がもっているコロナウィルスが猫の体で変異を起こすことがあります。このウィルスが非常に凶暴で、あちこちで増殖を起こし、猫の体調を一気に悪くします。最終的には腹水がたまり、食欲もなくなります。出来ることは対症療法ぐらいです。また、この変異したウィルスは感染性はないため、現時点では他の猫にうつる事はありません。ウィルスが原因ではありますが、他の猫にはかからない不思議なウィルスです。もちろん人にかかることも基本はありません。この病気の診断も人と同様に、症状とPCR検査等で体の中にウィルスがいる事を証明する事が診断の助けとなりますが、その検査も100%ではありません。昔からある病気ですが、猫の変異したコロナウィルスが原因で起こる、猫伝染性腹膜炎に関してもまだまだ分からに事が多いです。いつの日か、有効な治療法が見つかる事を願います。
さて、今回のおまけは、当院の近所の会社に設置されている、猫飛び出し注意の看板です。猫への愛を強く感じる上に、猫のかわいさがたまりません☆