2020年 動物たちとの約束

2020年もいよいよ終わりに近づいてきました。今年も当院へ通院して頂きました飼い主様、地域の皆様には大変お世話になりました。来年も動物を通して、地域に少しでもお役に立てるように精進したいと思います。

年明けは1月4日(月曜)の午前9時より、通常通りの診察を行う予定です。ただし、緊急の場合として、救急診察を行います。時間は以下の通りです。必ず事前に、お電話をお願いいたします。

1月2日(土) 午前10時

さて、今年の出来事で一番大きなことは新型コロナの流行ではないでしょうか。当院では去年より予約診察を導入しておりましたので、なるべく診察時間が分散できるようになりました。それでも時間帯によっては混み合うこともあり、お車で待ってもらったり等、ご迷惑をおかけました。今後もご協力を頂きながらの診察となると思います。よろしくお願いいたします。

また今年は開院以来行っていました春・秋の勉強会、パピーパーティーの開催は結局一年間見送らせてもらいました。なるべく診察の際に個別に相談を頂いたりしましたが、通常のパピーパーティーのように他の子犬同士のふれあい等は出来ませんでした。来年は何とか、対策をたてつつ、少しでも出来ればと思います。

さて、今年最後のブログも、「犬の10戒」をご紹介します。世界でも広がっている英語の詩だそうで、日本でも訳されて広がっています。ペットとしての犬と人との関係を、犬が人に語りかけるかたちでの、10の約束です。動物を飼っている事に慣れてしまうと、忘れてしまう動物の声が書いてあります。非常に多くのことを考えさせられれる文章です。いろんなものを参考に、自分なりに訳してみましたので、ご紹介します。

1.My life is likely to last ten to fifteen years. Any separation from you will be painful for me. Remember that before you get along with me.

私の命は10年や15年ぐらいです。どんな時でも、あなたと離れるのは辛いです。
私と一緒になる前に、ずっとそれが出来るか考えてください。

 

2.Give me time to understand what you want of me.

あなたがしてほしいことを理解するには、私は時間がかかります。
どうか根気強く待ってて下さい。

 

3.Place your trust in me- it’s crucial to my Well-being.

どうか私のことを心から信頼してください。
そんなあなたの心が、私の幸せのすべてなんです。

 

4.Don’t be angry at me for long and don’t lock me up as punishment. You have your work, your entertainment and your friends. I have only you.

あまり長い時間叱ったり、どこかに閉じ込めてしまう罰を与えないでください。あなたには、仕事もあります。楽しいこともあります。友達だっています。
でも、私にはあなたしかいないのです。

 

5.Talk to me. Even if I don’t understand your words, I understand your voice when it’s speaking to me.

たくさん、私に話かけてください。
言葉はわからなくても、あなたのその声をちゃんと私は理解していますから。

 

6.Be aware that however you treat me, I’ll never forget it.

いつでも、私の世話をどのようにするか気にかけてください。
私はそれを決して忘れません。

 

7.Remember before you hit me that l have teeth that could easily crush the bones of your hand but that I choose not to bite you.

私を叩いて叱る前に、思い出して下さい。
私が本気になれば、あなたの腕にかみつける牙があることを。
でも、私は決してあなたを傷付けないと決めてることを。

 

8.Before you scold me for being uncooperative, obstinate, or lazy, ask yourself if something might be bothering me. Perhaps I’m not getting the right food or I’ve been out in the sun too long or my heart is getting old and weak.

私のことを、言うことを聞かない、頑固だ、怠け者などと叱る前に、
私がそうなってる原因がないか、どうか自分に問いかけてみて下さい。

ちゃんと私にご飯をくれてはいますか?
暑い日に外に長い間ほってないですか?
もしかして、私の心臓が年老いて弱ってないでしょうか?

 

9.Take care of me when I get old ; you, too, will grow old.

私もあなたも年をとります。
いつか私が年老いても、どうか私を見続けてください。

 

10.Go with me on difficult journeys. Never say, “I can’t bear to watch it .” or ” Let it happen in my absence.” Everything is easier for me if you are there. Remember I love you.

 最期のときがきたら、どうかその時は私のそばにいて下さい。
「見てられない」とか、「私のいないこところで」なんて、言わないで下さい。あなたがそばにいてくれれば、私はどんなことだって、受け入れれるんです。

そして、どうか覚えいてください。私があなたを愛していることを。

 

病気の治療をしていると、どこまで治療してよいのか、ただの延命の治療になっているのではと悩まれる方も少なくはありません。特に高齢になれば、どうしても治らない病気もあります。高齢や治らないといっても、治療する=延命ではありません。付き合っていける病気もたくさんあり、その後にいい状態で長生きが出来る可能性があれば、大変な病気をしっかりと治療をした後に、安定していくための治療を病院は提案します。その治療は決して延命ではありません。

また、人も動物もいつかは必ず死は訪れます。そんな状態の時に、どのご家族もどのような事をしたらよいのかと悩みが出てきます。もう何も出来ないのか?むしろ、何もしないほうがいいのか?決して死が迫っている病気であっても何も出来ないわけではありません。痛みや吐き気など生活の質を落としてしまう症状を治療して抑えることは、出来ます。もちろんそれらの治療は、延命治療ではありません。緩和治療として、少しでもいい状態で生活が出来るようなための治療です。ただ近にいてもらって声をかけてもらう事も、広い意味での緩和治療です。

今年も多くの動物との出会いと別れがありました。どの動物も多くの事を私たちに教えてくれました。どの子たちも印象深い子たちばかりです。いろんな病気に対し、病気の治療だけではなく、ご家族とその動物にあった様々な過ごし方をご提示し、きっちりと相談し、しっかりとご家族に寄り添いながら治療をすすめていくことが、私たちが出会った多くの動物たちとの約束です。

今年は今まで出来ていた普通の事が出来ない事も多く、人との出会いも制限されていた一年であったと思います。改めて普通の生活を送る大事さを感じた一年となりました。また、こんな時だからこそ、動物に癒された方も多いのではないかと思います。

動物の健康を通して、動物を飼われている皆様に不安のない普通を届ける事が、大事なことなのではないかと思いました。その為には、病気の治療だけではなく、予防や日頃の細かな生活の仕方など、健康なうちにそれを維持するための提案にもより一層力をいれていかないといけないと思いました。来年も少しでも動物を通して、皆様の生活が明るく楽しく過ごせるお手伝いが出来ればと思います。来年も皆様と動物たちにとって良い年となりますよう願いまして、今年最後のブログとさせていただきます。ありがとうございました☆

 みかみ動物病院 院長 三上直樹

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