2021年 動物たちとの約束

2021年も終わりになりました。本日31日の午前で、本年の診察も終わりになりました。ありがとうございました。

この一年間も昨年に引き続き、新型コロナウィルスの流行に右往左往する一年間でした。夏頃からワクチンも行きわたり、日本では感染者数も少なくなってきました。やっと落ちつたと思いきや、今も新しい変異株が世界から日本で出回りはじめています。何とか来年は、皆がもう少し自由な生活が出来る一年になればと期待しております。

今年の年末のニュースでは、2020年は全国の動物愛護センターや保健所で、7万匹の持ち込みがあったそうです。昔と比べると随分と減りました。また、殺処分は10年前に比べると10分の1となっています。今は持ち込まれ動物の約7割が、譲渡会等で新たな貰い手がみつかっているようです。
また、行政だけではなく、多くの個人やグループの方のご尽力でも様々な動物愛護の活動がされています。行政にしても、個人にしても、結果的に不幸になってしまった動物の命をたくさん救ってもらっています。もちろんまだまだ問題や課題はあるでしょうが、動物愛護に関しての取り組みもだんだんとすすんでいます。
今後、やはり行政の方より、さらに動物を飼う始まりのときから、動物愛護の精神を基に、不幸な動物がでないための予防の仕組みが必要になるのではと思います。来年からは、動物の販売業者はマイクロチップが義務化されます。ペットショップ等で飼った動物には、基本的にはマイクロチップが装着されます。迷子の動物の把握がしやすくなることはもちろんですが。飼い主としての責任感もより増すのではないかと期待されています。

多くの方の様々な活動が、いつか不幸な動物がいなくなる日に繋がっていくのではないかと思います。当院にも保護猫、保護犬もたくさん連れてこられます。多くの動物が保護された当初と比べると、顔つきや性格も大きく変わり、良い人生を送れる場所に巡りあえたのだなと思います。

 

さて、年末年始のお知らせです。1月1~3日まではお正月休みを頂きます。また、1月4日(火)から、通常通りの診察となります。

 

さて、今年最後のブログも、「犬の十戒」をご紹介いたします。英語の詩で、日本でも訳されて広がっています。ペットとして犬が家族である飼い主に守ってもらいたい、10の事を語りかけています。非常に多くのことを考えさせられれる文章です。

1.My life is likely to last ten to fifteen years. Any separation from you will be painful for me. Remember that before you get along with me.

私の命は10年や15年ぐらいです。どんな時でも、あなたと離れるのは辛いです。
私と一緒になる前に、ずっとそれが出来るか考えてください。

 

2.Give me time to understand what you want of me.

あなたがしてほしいことを理解するには、私は時間がかかります。
どうか根気強く待ってて下さい。

 

3.Place your trust in me- it’s crucial to my Well-being.

どうか私のことを心から信頼してください。
そんなあなたの心が、私の幸せのすべてなんです。

 

4.Don’t be angry at me for long and don’t lock me up as punishment. You have your work, your entertainment and your friends. I have only you.

あまり長い時間叱ったり、どこかに閉じ込めてしまう罰を与えないでください。あなたには、仕事もあります。楽しいこともあります。友達だっています。
でも、私にはあなたしかいないのです。

 

5.Talk to me. Even if I don’t understand your words, I understand your voice when it’s speaking to me.

たくさん、私に話かけてください。
言葉はわからなくても、あなたのその声をちゃんと私は理解していますから。

 

6.Be aware that however you treat me, I’ll never forget it.

いつでも、私の世話をどのようにするか気にかけてください。
私はそれを決して忘れません。

 

7.Remember before you hit me that l have teeth that could easily crush the bones of your hand but that I choose not to bite you.

私を叩いて叱る前に、思い出して下さい。
私が本気になれば、あなたの腕にかみつける牙があることを。
でも、私は決してあなたを傷付けないと決めてることを。

 

8.Before you scold me for being uncooperative, obstinate, or lazy, ask yourself if something might be bothering me. Perhaps I’m not getting the right food or I’ve been out in the sun too long or my heart is getting old and weak.

私のことを、言うことを聞かない、頑固だ、怠け者などと叱る前に、
私がそうなってる原因がないか、どうか自分に問いかけてみて下さい。

ちゃんと私にご飯をくれてはいますか?
暑い日に外に長い間ほってないですか?
もしかして、私の心臓が年老いて弱ってないでしょうか?

 

9.Take care of me when I get old ; you, too, will grow old.

私もあなたも年をとります。
いつか私が年老いても、どうか私を見続けてください。

 

10.Go with me on difficult journeys. Never say, “I can’t bear to watch it .” or ” Let it happen in my absence.” Everything is easier for me if you are there. Remember I love you.

 最期のときがきたら、どうかその時は私のそばにいて下さい。
「見てられない」とか、「私のいないこところで」なんて、言わないで下さい。あなたがそばにいてくれれば、私はどんなことだって、受け入れれるんです。

そして、どうか覚えいてください。私があなたを愛していることを。

 

ペットにとって人とは、なくてはならない存在です。また、人にとっても動物はなくなてはならない存在です。動物たちは多くのことを人に教え、影響を与えてくれます。人の心を癒し、気持ちを優しくしてくれます。

今年も多くの動物と出会いがありました。同じく、多くの動物たちとの別れもありました。動物は人より寿命が短いものです。誕生からその生涯を終えるまで、身をもって人に多くの事を学ばせてくれます。時には手のかかる子供のような存在であり、一緒に楽しい時間を過ごせる兄弟のようであったり、優しく話を聞いてくれる頼れる親のような存在であったり。愛らしい姿や仕草で、癒しや楽しい時間も与えてくれます。自分の一生を使い、家族それぞれに、多くの事を教えてくれて、我々を成長させてれます。

そして、家族になってくれた動物たちの最後の役目が、生きるものには死がある事を教えてくれることです。年老いていく姿や、病気なる姿を見せることで、限りある「命」の重みを考える時間を与えてくれます。これから自分たちがいかに生きていくか、そしていつかは終わりがある事を、命について一番身近に教えてくれる存在になります。ずっと、私たちの人生のとなりにいてくれて、多くの事を教え、思い出せてくれると思います。

今年は、うれしい出会いも多くありました。以前に愛犬や愛猫を飼われていた方が、いったん動物とお別れをされた後に、また新たな動物と出会われ、当院にまた来て頂くことがありました。我々にとっても、新たな動物を飼いたいと思い、再び楽しく過ごしている話を聞く事は本当に嬉しい出来事です。

しかし、ずっと飼っていた動物とお別れした後に、新しい動物を飼っていいのかと悩まれている方は多いです。新しい動物を飼う事は、決して前の動物を忘れることではありません。新しい動物の出会いも、また、今までいてくれた動物からの縁だと思います。あの子がいてくれたからもっと動物が好きになれたと思い、また新しい動物を飼う事になったとすれば、素敵なことです。もちろん、前の動物を忘れるために、無理に新しい動物を飼う必要はありません。お別れのすぐは、悲しく寂しい時間が多いと思います。しかし、時がたてば寂しい気持ちだけではなく、自然と多くの楽しい思い出の方があふれてきます。

無理に飼う必要も、無理に飼わない必要もありません。無理をしなくても、動物が好きな人には、不思議とまた新しい動物の縁があったりします。その時にタイミングがまた合えばぐらいの気持ちがちょうどよいのではと思います。また、その新しい動物が、前の動物と同じように私たちをさらに成長させてくれます。新しい動物が成長するたびに、前の動物の事を楽しく思い出されると思います。
私たちも、動物とお別れがあっても、また、縁があればいつか動物を飼ってみようかと思ってもらえるような、そんなお手伝いが日頃よりできればと思っています。 

 

当院も開院で9年目となりました。ちょうど、開院したときに子犬子猫で来てもらった動物たちが、年齢的にはシニア期の入り口になります。人と同じく、シニア期からは、ちょっとした体調不良や、付き合っていく持病が増えてきます。体調や食事の管理が、より一層必要となってきます。
来年も、何でも相談してみようと思ってもらい、小さな不安であってもなくなるような動物病院を目指したいと思います。また、来年には、新型コロナウィルスの流行からほぼ中止していました、子犬のためのパピー教室や、シニア教室等も開催できればと思っています。

今年も、それぞれの家庭や動物にあった治療法を常に意思をしながら、診察を行いました。やはり、どの治療の選択肢が正解というわけではなく、家族全員でしっかり決めた治療が、一番納得のいく治療なのかと思います。治療の目標は完治だけではなく、うまく付き合っていくことも選択肢です。治らない病気でも、何も出来ないわけではありません、積極的な緩和的な治療もあります。今後も最期を迎える動物に、その家族の皆様と、治療だけではなく、あらゆることで何が出来るかを一緒に考え、寄り添えことも使命だと感じています。それが、今まで私たちが出会い別れた、多くの動物たちとの約束です。

これからも、どんな時でも動物の一番の味方でありたいと思います。動物に関する多くのことにも関わり、少しでも幸せな動物が増えてくれればと思います。また、そんな動物たちが多くの人たちを幸せにし、間接的にでも人の役に立てればと思います。

動物たちに感謝し、多くの動物たちとその周りの人たちが幸せに暮らせるため、2022年もよりいっそう精進することを誓い、今年の締めくくりとさせて頂きます。ありがとうございました☆

みかみ動物病院 院長 三上直樹

 

 

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