猫の膀胱炎に注意

1月の半ばとなりました。今年は雪は降らないですが、それなりに寒い日が続きます。今回のテーマは、この時期に気を付けなくてはならない病気の、膀胱炎についてです。

膀胱炎は特に猫に多い病気です。もともと飲水量が少なく、尿量も比較的少ない進化を遂げたことにより、猫に多くみられるようになったと言われています。そのため、自然と飲水量の減る、この冬場には膀胱炎が非常に多くなります。

最も典型的な症状は、血尿と頻尿です。おしっこの色がおかしいはもちろんですが、トイレに何回も行く、トイレからなかなか出ない、トイレ以外のところでも排尿をする場合は、膀胱炎の可能性があります。

様々な要因でありますが、若い猫から高齢まで、様々な年齢の猫で起こることがあります。特に、もともとお水を飲まない、トイレを我慢する猫などは多いです。また、肥満猫なども、膀胱炎になりやすいと言われています。人とは違いあまり細菌性の膀胱炎などは多くなく、原因不明の特発性と呼ばれる膀胱炎が多いです。さらに、膀胱炎は長期放置しておくと、その後に細菌が増殖したり、尿石が出てきたりと、どんどんと悪循環が見られますので、早期の発見と治療が重要となります。

膀胱炎は尿検査が重要で、膀胱炎の診断や原因の推測を行います。なるべく新しいおしっこを、何とか液体の状態で持ってきてもらうと、尿検査ができます。ただし、なかなか猫で尿をとるのは難しいので、怪しい症状が出た場合は、尿がとれなくても早い目に病院の診察を受けてください。また、腹部のエコー検査やレントゲンにより、膀胱の炎症の度合いや、膀胱内の尿石の有無や大きさを、さらに詳しく調べることができます。

基本は内服薬による治療と、必要であれば食事治療が比較的長期に必要になります。ポイントは、症状がなくなったように見えても、治療を中断しないことです。まだ症状がなくなった段階では、多くは完全に治癒しておらず、ぶり返す場合が多いです。また、膀胱内に尿石が見られた場合には、外科的治療が必要なケースもあります。

さらに、日頃から出来る治療や予防としては、飲水場所とトイレの環境の整備です。猫は基本はお気に入りの水の飲み方があります。比較的、流れる水が好きなことが多く、水道の蛇口の水などから直接水を飲む猫もいます。最近の水の入れ物は、水流を作る噴水型の水飲みもあります。また、簡単な方法としては食事をウェットフードにすることにより、自然と水の量を増やすことができます。また、トイレはなるべくキレイにすることが重要です。特に、多頭飼いのお家の場合は、猫の数よりも+1つトイレを用意してもらうほうがよいです。また、トイレの砂も好みがあるので、よりよい砂を試してみてもよいかもしれません。

最後にオスの猫を飼っておられる方に、必ず知ってもらいこととして。オスのの場合は、膀胱炎や尿石症により尿道閉塞を起こす場合があります。尿道が詰まることにより、まったくおしっこが出なくなり急性の腎不全を起こします。様子をみることで、場合によれば一日で命に関わることがあります。もし、トイレに行っても尿が出ておらず、急激な体調不良を起こした場合は、すぐに病院の診察を受けるようにして下さい。

さて、今回のおまけは、久々に登場のスタッフの猫の、かんぱちです。5か月となりました。以前に比べると、かなり大きくなりました。元気に成長中です。ちなみに現在、かんぱちも膀胱炎の治療中です。

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