春の勉強会 第五回 知っておきたい予防の話
朝晩はまだ冷えるものの、だいぶ暖かい日が増えてきました。しばらくは晴れの、暖かい天気が良い日が続くみたいです。花壇のチューリップは先日の雨と風でだいぶ散ってきましたが、そのほかの花たちはより一層きれいにさいてきました。
さて、先日は春の勉強会第五回として、様々な「予防の話」をさせてもらいました。ペットの寿命の劇的な延長は、予防医療の進歩が大きく関わっているといわれています。昔は寄生虫、ウィルス、細菌、フィラリアなどの感染症が死因になることが多かったですが、今ではそれらが死因になることはほとんどありません。今回は、しなくちゃいけないのは知ってるけど、具体的に予防って何をどうしたらよいのかわからない飼い主さんを対象に、企画させてもらいました。
現在はまさに、春の予防シーズンとなっています。犬にとってこの時期に、重要な予防はフィラリアです。基本は一月に一回の飲み薬になります。フィラリアは蚊が媒介する寄生虫です。そのため、蚊の活動を中心に予防の時期が決まります。実はフィラリアは、蚊が刺してから犬の血管に侵入するまで、1.2か月ほどを皮膚で過ごします。血管に入って成長するまでに、薬を効かせればよいため、予防の開始は蚊が出始めてからの一か月後ぐらいで間に合います。滋賀県では5月半ばぐらいからのスタートでOKです。そして、終了は逆に蚊がいなくなっても一か月後まで続ける必要があります。だいたい、11月末ぐらいまでが必要な期間となります。この一番最後の投薬が最も忘れやすいときですので、お気を付けください。
また、猫は暖かくなるにつれて、ノミに気を付けなくてはなりません。ノミは一般的には蚊と同様、暖かくなればなるほど増えて感染の確率もあがってきます。ノミは刺されての痒みの症状はもちろん、アレルギーの原因、寄生虫の感染源となり、様々な症状を起こします。また厄介なことに、人にも痒みを起こし、環境が整えば爆発的に家の中でも増殖します。一般的に、ノミの成虫が5匹いれば、その動物の生活環境に95匹の幼虫や卵があるそうです。ノミが卵からかえり、成虫になるまでに1ヶ月かかりません。次々と環境中にノミが増えるので、最終的には収拾がつかなくなります。一月に一回、背中につけるスポット剤でノミが予防できます。お散歩で草むらに行く犬も、ノミダニ予防は必須です。
今年も予防をしっかりして、健康に長生きを目指してください☆