梅雨と外耳炎

梅雨も真ん中ぐらいでしょうか。関西は例年より早く始まった梅雨ですが、梅雨の中でも晴れもありますが、蒸す暑い日もあり湿気が多いです。さて、この時期に気を付けたい病気の一つが外耳炎です。ここ最近は外耳炎での来院される犬が一気に増えました。

外耳炎とは、耳の見えるところから、見えない耳の中の鼓膜までの間で炎症を起こす病気の総称です。いろいろな事が複合的に関り起こる病気です。耳の中にたまる汚れに、普段は悪さをしないような細菌やカビが一気に増えたり、耳の中にミミダニが入る事でも起こります。また、アレルギーの症状の一つとして、耳が痒くなることがあります。この時期に多いのは、細菌やカビが悪さをする外耳炎が多いです。

特に、耳が垂れている犬や、耳の穴が狭い小型犬、耳の周りに毛が多い犬などが、特に外耳炎が多いです。一番の人気犬種、プードルはどれにも当てはまり、非常に外耳炎が多いです。特に、この梅雨の時期は暑く蒸れるため、耳の中に細菌やカビが増えやすくなり、この時期に注意が必要な病気となります。

一番に目立つ症状は痒みで、痒みが出たことで病院に来られることが多いです。もともとでも少々はどの犬も掻いたりはしますが、後ろ足でしきりに掻いたり、耳をふったりするような痒みの症状が強く出てきます。また、見た目としては、それに伴い耳のまわりに掻き傷や、耳垢も増えるので汚れが目に見て増えることもあります。また、その耳垢から普段よりも匂いが強く出てくることで気づく場合もあります。

治療は、非常に軽い症状であれば、耳のお手入れだけで済むこともあります。だいたいは多くの場合は、薬を使った治療がメインです。基本的には耳に薬を入れる点耳薬での治療が多いです。初期にさえ見つかれば、点耳薬を2週間前後すればだいたいは治ります。あまりにも長期に症状をおいておくと、耳の中が腫れたり、大量の耳垢がたまったりすることで、治療は長期になり、持病として慢性化する場合もあります。早めの治療が必要となります。最近では、家での点耳が難しい犬のために、病院だけで投与できる長期に効く薬も出てきており、治療の選択肢は広がっています。

予防としては、日頃のお手入れが重要となります。小型犬は、トリミングにも行ってると思いますので、おかしければそこで教えてくれる場合もあります。もし可能であれば、トリミングとトリミングの間に一回、家でも耳の回りだけでも軽く汚れをふき取ってもらえれば、尚いいと思います。耳掃除をしてもらうことにより、綺麗になる事ももちろんですが、日頃の耳の把握ができるので、病気の早期発見に役に立ちます。

蒸している梅雨の時期は、耳が蒸れやすい、耳の垂れている小型犬は、ぜひぜひご注意下さい。皮膚病もこの時期はやや増加の傾向にあるので、お気を付けください☆

 

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