小型犬の乳歯

犬や猫も人と同様に、子犬、子猫の時は乳歯が生えています。その後、徐々に大人の歯である永久歯にかわっていきます。基本的には犬歯と呼ばれる、牙が比較的に最終の生え変わりになります。およそ、半年から10カ月頃までには通常、生え変わりが終了します。

ただ時々、大人の歯が生えたにもかかわらず、乳歯が残ってしまう動物がいます。特に小型犬が非常に多いです。恐らくは、通常と比べて口が小さく、生え変わりがうまくいかないためだと思います。特に、犬歯(牙)や、切歯(前歯)が残る事が多く、一番多いのは上の犬歯が残る事が多いです。

すぐに問題となる事は少ないですが、乳歯と永久歯の間に歯石が溜まります。歯石が溜まれば、将来的には歯肉炎になります。

ちょうど、一歳ぐらいは去勢手術、避妊手術を考えられることが多い時期だと思います。動物の場合は、歯を抜くには局所麻酔ではなく、全身麻酔をかけることとなりますので、このタイミングで同時に抜く事をお勧めします。

さて、写真は乳歯が残っている犬の歯です。大人になってから去勢手術をした際に歯を抜きました。前の歯が永久歯、後ろの小さい歯が乳歯です。反対の歯と比べると、すでに歯石がついていることが分かると思います。まだ、歯肉には大きく影響はないですが、このままではそれなりの歯肉炎になっていたかもしれません。小型犬には多くあることです。もし、歯の事で気になる事があれば、ご相談下さい☆

膀胱炎に注意

最低気温が10℃を切る日も出てきました。昼は暖かい日もありますが、朝晩は非常に寒いです。人も動物も体調には気を付けなくてはなりません。

さて、寒くなると気を付けないといけないのが膀胱炎です。膀胱炎は、頻尿や血尿が主な症状です。頻尿になると、トイレに行った後にトイレにまた行ったり、トイレからなかなか出てこなくなったり、時には普通ではしない場所で尿をしたりなどの症状が出てきます。膀胱炎自体は、すぐに命に関わる病気ではないですが、非常に不快であり、生活の質を落としてしまう病気です。

原因は様々です。体質的なものもあれば、細菌の感染、膀胱結石などです。特に冬場は、自然と飲水量がへってしまうため、膀胱炎がおきやすくなります。いろいろな事が複合的に悪循環して、大きな膀胱炎と発展してしまいます。

特に犬も猫も雄の場合は、尿道に結石が詰まる事があります。尿道閉塞を起こすと完全に尿が出なくなり、おしっこの毒素が体に逆戻りしてしまいます。膀胱炎は命にはかかわらないですが、尿道閉塞は命に関わります。閉塞すると約半日後には大きく体調を崩し、1日を越すと命に関わる可能性のある、緊急性のある病気となります。

治療は原因も様々なため、その動物それぞれになります。一般的には軽ければ内服の治療からスタートとなります。特に膀胱結石の元となる結晶がある動物は、結石用の療養食に変更するケースもあります。すでに大きな膀胱結石が出来ていることが見つかった場合は、外科的に手術で取る必要がある動物もいます。また、環境としてはお水がいつでも飲める環境、トイレがきれいでいつでも我慢せずに使える環境は、治療にも予防にも役立ちます。特に猫の場合は、きれい好きな猫が多いため、トイレの管理は必須です。

この秋から冬にかけて、おしっこの事でもし何らか気になる症状がありましたら、ぜひ早い目の診察をお勧めします。

さて、当院の夏の花壇の植え替えを行っています。駐車場側の花壇が今年もビオラを中心とした花壇になりました。まだまだ花は少ないですが、これから冬や春の花壇できれいに咲いてくれると思います。楽しみにしていて下さい☆

11月休診日のお知らせ

寒くなりました、一気に冷え込んできました。日が暮れるのもずいぶん早くなりました。もう六時には真っ暗です。世間ではハロウィンです。

さて、11月の休診日のお知らせです。11月7日(木曜)、8日(金曜)、14日(木曜)、21日(木曜)、28日(木曜)、29日(金曜) は、お休みを頂きます。また、11月4日(月曜・祝日)、23(土曜・祝日)は通常通り、午前・午後(18時まで)ともに診察しております。振り替えで、8日(金曜)、29日(金曜)はお休みを頂きます。

さて、ニュースで神奈川の病院で活躍する、スタンダードプードルのモリスが紹介されていました。モリスは手術を受ける子供に付き添ったりすることで、大変な治療の不安や苦痛を和らげています。子供だけではなく、時には大人の患者や、家族などの精神安定や治療意欲の向上に貢献しているそうです。緩和ケアチームの勤務犬として週に2回出勤しているそうです。

動物が好きな人ばかりではないですが、アニマルセラピーとして、これからも病院や高齢者の施設、もっともっと活躍の場はあると思います。ぜひぜひモリスのように我々の生活に安心を与えてくれる動物が増えてくれ、そのような機会を受けれる場が増えるといいなと思います☆

中学生に職業の授業

今週は近くに中学生に向けての授業を行いました。中学2年生が対象で、職業の実習などに先立ち、様々な業種の人から話を聞くという授業です。担当の先生直々にご連絡をいただきまして、授業を受けもちさせてもらうこととなりました。

中学生の時は、が獣医になるなんて思ってなかったです。生き物全般は好きだったので、漠然と動物に関わる仕事には興味があったと思います。今回は自分自身が、なぜ獣医師になろうと思ったのか、獣医師になるためにどんなことをしたか、実際の獣医師の仕事についてお話させてもらいました。

小さな教室で、動物の仕事に興味がある人だけかと思っていたら、なんと学年全員の200人以上の前で体育館での授業でした。責任重大ですし、緊張もしましたが、自分にとっても、改めて自身を見直す良い機会になりました。

写真は、大学で世話をしていたポニーのポニ子の写真です。大学では様々な動物の世話をするのですが、大学に入った一年生の時には同級生でポニーの世話をします。今思うと大変ながらも楽しい日々でした。

今回は獣医師の私以外にも、大工さんや、看護師さん、警察官などの業種の方もそれぞれ授業をされるようでした。自分の時は職業の実習なども無かったので、今の中学生は、将来について考える機会があるというのは良いなと思いました。今回の授業が少しでもお役に立てれば幸いです☆

猫の健康診断&慢性腎不全

9月から秋の健康診断を行っております。犬も猫も両方ともにできますが、秋は猫ちゃんは多くの項目が一年で一番お得に出来るキャンペーン中です。健康診断では、貧血や炎症、糖尿病、脱水、腎臓病、肝臓病、栄養状態、ホルモン疾患など様々な病気を調べることで、早期発見・早期治療に繋がります。

猫の寿命はここ数年で大きく伸びてきました。今は室内で飼われている猫の平均寿命は16年ほどとなりました。食事や環境やワクチンなどが大きな要因になっています。今は伝染病や事故で亡くなる猫はほとんどいません。長生きできるようになったぶん、歳をとってから様々な病気が出てくるようになってきました。

これからさらに長生きをしてもらうためには、そられの病気をいかに早期に発見して、早期に治療するかが重要となっています。歳をとってからの病気の多くは、人と同様につきあっていくことは出来ますが、完治する事はなかなか出来ません。

猫は腎臓病が非常に多く、現在では死因の第一位となっています。しかし腎臓はダメージを受けても再生することは出来ないですが、比較的に余力もある臓器であり、なかなかすぐに症状が現れませ実は腎臓病は食欲が落ちたりするのは、実は病気が比較的に末期に近づいてからです。末期になってからの治療は、出来ることは限られます。もちろん元には戻りません。

血液検査で早期に見つけることが出来れば、食事や薬や生活習慣を見直すことで、進行を遅らすことが可能です。そうすれば体調の良い状態を長く続けることも可能ですし、年単位で寿命を延ばすことが出来ます。

猫は一年間で人間の4.5歳分の歳をとります。一年に一回でも、人間では4.5年に一回の検査になります。ぜひ若いうちでも一年に一回。7歳以上になってら、一年に2回の検査をおすすめします。

キャンペーンでお得で出来るのは10月末までです。長生きを目標にされている方は、この機会をご利用下さい☆

秋のマダニに注意

だんだんと日も短くなり、18時には真っ暗になってきました。朝夕も本当に寒くなってきました。さて、この秋の季節で気を付けたいことに、マダニがあります。マダニは虫ですので、暖かい時期に多いです。梅雨ぐらいからが増えるのですが、実は一年で一番多いのが9月~10月です。

昨日のニュースで、9月にこの近江八幡でマダニに刺されてることでかかる、日本紅斑熱という病気になり50代の方が亡くなられたと伝えられていました。日本紅斑熱は現時点では人間だけの病気ではあり、動物にはかかりません。しかし、動物にも様々な害を起こします。

マダニは草むらにひそんでおり、血を吸うために動物が近くを通った時に乗り移ってきます。一旦、噛まれるとそのまま数日間も血を吸い続けます。この間は、がっちりと皮膚に食いつきますので、ちょっとやそっとでは取れません。噛まれたところは、傷になり皮膚炎や化膿したりします。

マダニはさらにいろいろな病気を伝播します。赤血球に寄生し貧血を起こしてしまうバベシア症や、人にもうつるSFTSなど、命に関わる病気が多数あります。

今はマダニを運ぶ野生動物も山から人が住んでいるところに来るようになってきました。気候もだんだんと暖かくなってきており、昔に比べると住宅地でもマダニをもらう事が増えてきているようです。当院でもマダニのついた犬や猫が来ることが、昔に比べると増えてきた気がします。

やはり、予防が一番重要です。背中につけるだけのスポットタイプやおやつタイプの薬で、一カ月予防と駆虫が出来ます。もし、外に出る犬や猫を飼われている方はぜひお気を付けください。ニュースを聞いて、改めて人も動物も、さらに気を付けていかないといけない事だと思いました。

さて、今週末の日曜はびわ湖わんにゃんマルシェが開催されます。心配していた台風も、何とか日曜には滋賀県は過ぎ去りそうです。今月は私は参加はできませんが、今月も楽しい事がたくさんのマルシェだと思います。秋の気持ちの良い日のお出かけに、ぜひご参加ください☆

 

10月休診日のお知らせ

10月になりました。これまで通りの診察と並行して8月から始めた予約診察も、多くの方にご利用いただいております。全体的には待ち時間は減ってきたかと思います。2カ月たちましたが、現時点では、当日でも午前午後ともに、どこかの時間で予約枠はだいたい空いております。また、土日は、通常診察・予約新診察ともに混み合うことが多いです。予約いただいた方も、診察の進み方によりお待ちいただくことはあります。基本は予約の方が優先になります。もし、予約ご希望の方は、診察時間にて電話で予約してください。

さて、10月の休診日のお知らせです。10月3日(木曜)、10日(木曜)、17日(木曜)、18日(金曜)24日(木曜)、25日(金曜)、31日(木曜)はお休みを頂きます。
尚、10月14日(月曜・祝日)、22日(火曜・祝日)は通常通り、午前、午後(18時まで)ともに診察しております。振り替えで、18日(金曜)、25日(金曜)にお休みを頂きます。

朝夕も寒くなるぐらいで、秋が深まってきました。周りの田んぼも稲刈りも大方終わり、コスモスが咲いてきました。病院の花壇も夏の花壇も終わりに近づいてきました。また、冬の花壇に向けて準備をせねばです☆

 

2019年動物フェスティバル

先日は竜王町のドラゴンハットにて、動物フェスティバルが開催されました。今年は台風が近づいているとのことで、天気を心配していましたが当日は何とかもちました。

動物フェスティバルは、犬や猫のペットだけではなく、牛や馬などの大動物や、野生動物など、我々の周りにある動物に関わる事を身近に感じてもらえるような、楽しいイベントです。

今年も小中学生向けの模擬動物病院は人気でした。実際に動物病院でしている診察や検査を、子供たちに体験してもらいます。

また、さらに小さい子向けには、ウサギやモルモットのふれあい体験がありました。私は昨年に続きウサギのコーナーの担当でした。初めてウサギに触る子供たちもいました。最初は恐る恐る触る子たちもいましたが、最終的にはみんな抱っこが出来ました。実際に見るだけと比べて、触り心地や、暖かさや、重さを感じとってもらえたのではないかと思います。聴診器を使って心臓の音も聞いてもらいました。みんな興味津々でした。

今年もステージでは、様々な催し物が開かれました。長寿犬猫の表彰や、介助犬や盲導犬などの紹介や、災害救助犬の実演、また災害時のペットのしつけについての話がありました。

食事のブースでは、地元のお店や、農協高校など地元のものを使った食品が売られていました。獣医師会では、猪肉を打っていました。最近ではジビエ料理として、山で増えすぎた鹿や猪などが、有効に活用されています。

その他にも、ニュースになっており、我々の食生活にも関わる豚コレラについて学ぶコーナーや、野動物関連の仕事や学校を紹介するところもありました。様々なニワトリを展示しているコーナーもありました。子供から大人まで楽しみながらたくさんの事が学んでもらえたかなと思います。またペット同伴もできましたので、一緒にペットと出かけることの出来る良い機会にもなったかと思います。今年はたくさんのワンちゃんだけではなく、猫や、なんとフェレットまで来られていました。

一年に一回の動物に関わるお祭りですが、日々周りにいる動物たちに我々は支えられているのだと改めて思いました。ちょうど、終わりを迎えたタイミングで雨が降ってきました。今年は6500人ほどの来場者があったそうです。来ていただいた方にとって、動物が少しでも身近に感じてもらえたら幸いです☆

 

動物フェスティバル2019開催のお知らせ

涼しい日が増えてきました。朝夕は薄着では寒いぐらいです。

さて、9月22日(日曜)に、竜王町ドラゴンハットにて動物フェスティバルが開催されます。毎年たくさんの人に来ていただいている、動物同伴OKのイベントです。

動物フェスティバルでは、ペットから畜産についてや、野生動物や環境問題まで、様々な動物に関わる事がいろいろと学ぶことが可能です。

模擬動物病院のコーナーでは、動物病院の仕事をいろいろと体験できます。ふれあいコーナーでは、ウサギやモルモットに触れたり、様々な種類のニワトリを見ることができます。

また、災害に関わるしつけの話や、介助犬や盲導犬の実演などもあります。地元の中学校の吹奏楽部の演奏会もあります。今年は紙芝居もするそうです。

また、様々な遊びながら勉強が出来るコーナーもありますし、獣医師や動物看護師の専門学校などの学校紹介のコーナーもあります。

また、様々な物販や食事のブースもあります。お昼はいつも行列が出来るほどです。地元の農業高校の物販もいつも人気です。

今年も私は、ふれあいコーナーの担当です。ウサギやモルモットと触れ合える、小さい子向けのコーナーです。動物を飼われている方も、動物を飼われてない方も、ぜひぜひ動物の暖かさに触れ合う良い機会になると思います。

尚、22日午前の診察は院長不在の為、予約診察のみになります。診察ご希望の方はご連絡の下さい。23日(月・祝日)は午前9時から12時、午後14時から18時(16時~18時は予約のみ)で診察しております。

天気が少し気になるところですが、ぜひご興味のある方は、動物フェスティバルにご参加ください。10時~15時まで、参加無料です。きっと楽しい一日になると思います☆

猫の健康診断はじめました

秋らしい気候になってきました。まわりの田んぼでも、稲刈りがすすんでいます。暑い日は少なくなってきましたが、やはり季節の変わり目で体調を崩す動物が増えてきました。

さて、9月から猫のための秋の健康診断をはじめました。健康診断では、身体検査と血液検査により健康状態を確認します。健康診断の目的は、病気の早期発見と、健康であることの確認です。およそ、猫は1年間で人間の4~5歳分と歳をとります。一年間でも体には大きく変化出ます。

血液検査では、目に見えない病気を早期で発見するための手助けとなります。人の健康診断と同じく、貧血や炎症、腎臓や肝臓、栄養状態、脱水、ホルモン疾患など、多くの項目を調べることをします。人と違い動物は自覚症状を口にすることがありません。特に猫は痛みなどを隠す動物です。目に見える症状が出た時にはすでに悪化してからの場合が多いですので、もしかすると人間よりも重要な検査になるかもしれません。

猫は以前に比べ、長生きになってきました。今では室内猫では平均寿命も15歳を越えてるようになってきました。長生きする猫たちの中で一番の死因となる病気が腎臓病です。腎臓病は基本的には症状が出にくく、人と同様に再生しにくい臓器の為、一度悪くなると治ることはありません。なるべく早期に見つけ、なるべく進行を遅らすことが、さらなる長生きのポイントになります。今では20歳以上生きる猫も、珍しくはなくなってきました。

秋の健康診断は、10月末までの予定です。一般的な健康診断から、高齢猫にお勧めのコース、また外に出て伝染病などが気になる猫ちゃんのコースなども用意しています。この時期は普段よりも多くの項目が、一年で一番お得な価格で調べることが出来ます。ぜひ、この機会に一年に一回の健康診断をご検討ください☆